実は、トレードにおいて最適なポジションサイズでトレードすることは、勝率が高い手法を手に入れることよりずっと大切なことです。
なぜなら、もし、資金に対して過大なポジションを持ってしまうと、次からトレードができないくらい深刻なダメージを受けたり、過小なポジションなら、いくら思惑通りに値が動いたとしても自分の目標利回りに届かなかったりするからです。
私自身、過去に利益が伸び悩んでいた原因も過小なポジションによるものでした。
あまりにも臆病になりすぎ、資金に対してとても小さなポジション量でトレードしていたのです。
最適なポジションサイズでトレードできない原因は、確固たるトレーディングシステムを持っていないことにあります。
ポジションサイズの決定をその時の感情に任せているから、ポジションサイズが過小になったり、過大になったりしてしまうのです。
トレーディングシステムがなければ、「今日は損失を出したくない」「このトレードは負けたくない」など、感情によってトレードが左右されます。
1日単位、1回のトレード単位でトレードを捉え、「何のためにトレードをしているのか」、「何を目標としてトレードをしているのか」という本質的な視点がなくなるのです。
目標の達成を意識したトレーディングシステムを確立し、日々ゲームプランを立て、確実に執行する規律を持つこと、トレードを通して目標達成を果たすためには、このシンプルな行動の積み重ね以外に方法はありません。
「タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門」では、トレーディングを成功させるために次のことが挙げられています。
1.毎日行われなければならないことを行い、正しい手順に沿ってトレーディングする
2.資金に対するしっかりとした考え方を持ち、十分なトレーディング資金を準備する
3.トレーディングの手引きとなるビジネスプランを立てる
4.良いシステムを持つ。できれば複数の良いシステムを持つ
5.正しいポジションサイズでトレードする
資金管理について正しい理解をし、日々行うべきルーチンを定め、規律を守ることの重要性を説いています。
こう聞くと当たり前のことを言っているようですが、これはとても大切なことです。多くの人は、トレードそのものを目的にしてしまいがちです。
「今日どうすればトレードで儲けることができるか」についてのみ興味があり、目の前のトレードに固執します。
重要なのは、自分が何のためにトレードをしているのかを考え、それを常に意識できるかです。
長期的に見ると、今日のトレードの勝敗は、さほど重要ではありません。週間、月間単位でプラスになればいいのです。
この視点がないと、どうしても1日や1つのトレードの勝敗に固執してしまいます。
それが、資金管理についての正しい理解を歪ませ、結果として最適なポジションサイズでのトレードを難しくさせてしまうのです。
タープ博士は、本書でマーケットで生き残るために必要な要素として、
- トレーディング心理の完全理解
- ビジネスプランであるトレーディングの手引書の作成
- 自分のニーズとスキルに合ったトレーディングシステムの開発
- 自分の目標を達成するためのポジションサイジング戦略の作成
- 過ちを最小限に抑えるための自己監視
を挙げています。
そして、トレーディングシステムの開発だけではなく、
- 自己理解を深めることの重要性
- 目標設定、ビジネスプランの重要性
- ポジションサイジングの重要性
これらを繰り返し説いています。
私がもし、この本に出会わなかったら、自己理解を深めることの重要性や目標設定、トレードプランの重要性、ポジションサイジングの重要性などに気づくことはできなかったでしょう。
トレードにおいて目標設定や自己改善、資金管理がいかに大切なものなのか学ぶことができる一冊です。
もし、まだ読んでいないのなら、ぜひ読んでみてください。