あなたは、こんな悩みを抱えていませんか?
- 確固たるエントリールールが欲しい・・・
- 根拠のあるエントリーをしたい・・・
これは、恐らく多くの人が考えていることだと思います。
実は、ダウ理論とチャートパターンを組み合わせることで、根拠のあるエントリーができるようになります。大切なのは、これらはそれぞれ単体で使うのではなく、組み合わせて活用することです。
この記事では、ダウ理論とチャートパターンを組み合わせることで、より根拠のあるエントリーをするための方法を詳しく解説していきます。
最後まで読んでいただければ、チャートから一つ一つの根拠を丁寧に集める感覚を理解してもらえるはずです。
ぜひ参考にしていただき、論理的で一貫性のあるトレードを目指していきましょう。では、さっそく始めていきます。
1.継続の7つのチャートパターン
これから、
- 継続の7つのパターン
- 反転の4つのパターン
計11のチャートパターンを解説していきます。
では、最初に継続のチャートパターンです。
- レクタングル
- シンメトリカルトライアングル
- アセンディングトライアングル
- ディセンディングトライアングル
- フラッグ
- ペナント
- ウェッジ
以上の7つをご紹介していきます。
継続のチャートパターンは、トレンド中の調整で出現するパターンで、再度トレンド方向へ向かうための小休止のようなもの。
これらをダウ理論と絡めながら、エントリータイミングを見ていきましょう。
なお、説明の中で上昇トレンドと下降トレンドのどちらかしか言及していない場合がありますが、考え方は同じですから、読み替えて理解してください。
①レクタングル
レクタングルは、上下平行な水平ラインの中でレンジを作るパターンです。
出現頻度も高く、視覚的にもわかりやすいパターンです。また。機能もしやすいので、トレードプランを立てやすいです。
ダウ理論でいう上昇トレンドとは、高値と安値をともに切り上げている状態をいいます。
つまり、安値を切らない限りは上昇トレンドということです。
ですから、上昇トレンドの基準の安値ができると、そのラインを基準としての押し目買いの戦略が基本セオリーとなります。
レンジ下限で反発するのを確認して買っていきます。
相場の大きな流れは上昇トレンドですから、レンジ上限でショートするのはやめましょう。上昇トレンドが継続しているうちはロングだけを狙うべきです。
また、レンジをブレイクアウトしてもう一段上昇する際には、ブレイクアウトの瞬間のエントリーは避けるべきです。押し目を待って、エントリーすべきです。
②シンメトリカルトライアングル
続いてシンメトリカルトライアングルです。
これは、調整の際に徐々に高値と安値の幅が小さくなり、最終的にはトレンド方向へブレイクしていくパターンです。
相場の大きな流れは上昇トレンドですから、基本的にはロングを狙っていく戦略になります。
レンジ下限のラインが明確なレクタングルと違って、レンジ下限をタイミングよくロングを狙っていくのは難しいかもしれません。
もちろん、安値を結ぶ明確なトレンドラインを引ける場合には、超短期でトレンドラインタッチでロングを狙う戦略もいいでしょう。
高値切り下げラインを上にブレイクアウトした場合は、レクタングルの場合と異なり、即座にロングしていくのがセオリーです。
③アセンディングトライアングル
次は、アセンディングトライアングルです。
これは、高値が水平で安値は徐々に切り上がるパターンです。
この形状は上へ抜けやすいパターンのため、基本的にはロングを狙っていく戦略となります。
シンメトリカルトライアングル同様、レンジ内の安値をロングしていくのは難しいですが、安値を結ぶきれいなトレンドラインを引ける場合には、超短期でトレンドラインタッチでロングを狙っていく戦略も考えられるでしょう。
水平ラインを上にブレイクアウトする場合は、レクタングルのブレイクアウト同様、押し目買いを狙っていくのがセオリーです。
④ディセンディングトライアングル
アセンディングトライアングルの逆パターンのディセンディングトライアングルです。
これは、基本的にはショートを狙っていくパターンです。
水平ラインを下にブレイクアウトしていった後は、戻り売りを狙う戦略がセオリーです。
⑤フラッグ
フラッグは、トレンド中の調整の際に出る高値と安値が平行にレンジを作るパターンです。
上昇トレンド中で、上へ抜けやすいことから基本的にはロングを狙っていく戦略になります。
エントリータイミングとしては、レンジ下限で狙うのは難しいので、上値抵抗線をブレイクアウトするタイミングでエントリーしていくことになります。
⑥ペナント
ペナントは、シンメトリカルトライアングル同様、トレンドの途中で出る三角形の持ち合いです。
シンメトリカルトライアングルよりも小さい形状なのが特徴です。
明確に下値支持線が引ける場合を除き、基本的には上値抵抗線をブレイクアウトするタイミングでエントリーしていくことになります。
⑦ウェッジ
ウェッジは、上昇トレンドであればトレンド中に出る右肩下がりの三角形です。
これもペナント同様、上へブレイクアウトする瞬間にロングしていくのがセオリーです。
2.反転の4つのチャートパターン
次に、反転の4つのチャートパターンです。
- Wトップ
- Wボトム
- ヘッドアンドショルダー
- 逆ヘッドアンドショルダー
反転のチャートパターンとしては、天井圏でのWトップとヘッドアンドショルダー、底値圏でのWボトムと逆ヘッドアンドショルダーが有名です。
WトップとWボトム、ヘッドアンドショルダーと逆ヘッドアンドショルダーは、上と下で違うだけで考え方は同じになります。
ですから、下降トレンドからの上昇トレンドへの転換場面でのエントリータイミングについて、Wボトムと逆ヘッドアンドショルダーを例にして見ていきます。
Wボトム
下の図は、下降トレンドでサポートラインに到達し、Wボトムが示現した場面を表したものです。
②のポイントでは、まだ下降トレンド中ですから、基本的に戻り売りを狙っていくことになります。
その後、サポートラインに再度跳ね返され、ネックラインを上抜けていきました。
③のポイントでは、まだダウ理論上の上昇トレンドではありません。高値、安値の切り上げを確認できないからです。
ダウ理論上のトレンドの定義をおさらいしておきましょう。
ダウの定義によれば、連続する高値、安値のおのおのがその前の高値、安値より上である限り、アップ・トレンドが存在するとされる。言いかえると、アップ・トレンドは、上昇を続ける山と谷のパターンで形成されなければならない。ダウン・トレンドは、反対に下降する山と谷を連続に形成する。
先物市場のテクニカル分析 ジョン J.マーフィー
③のタイミングでロングする根拠としては、次の2つが挙げられます。
- サポートラインに2度到達したが反発を受け、サポートラインが機能していることが確認できた。
- ネックラインを上抜けたことで、トレンド反転を示唆するWボトムが示現した。
これらを根拠に、③で早期に反発を狙ったロングをしていくことになります。
その後、④のポイントに到達してやっと高値と安値を切り上げが確定します。ここで初めて上昇トレンドと定義することができることができます。
反発を狙ったエントリーポイントとして、
- リスクを受け入れて、利幅を狙う③のポイント
- 安全性は高いが、利幅を狙えない④のポイント
の2つがあります。
どっちがいいのかという答えはありません。正解はありませんから。大切なのは、「自分はどちらを選択するのか」です。
逆ヘッドアンドショルダー
次に逆ヘッドアンドショルダーを見ていきましょう。
下の図は下降トレンドでサポートラインに到達し、その後上昇トレンドに転換する場面を表したものです。
③のポイントでは、まだ基準の高値を上回ってませんから、まだ下降トレンドです。この時点では、戻り売りを狙っていく戦略です。
その後、再度安値にチャレンジすることなく、ネックラインを上抜けていきます。
ネックラインを上抜けた後の④のポイントでは、高値と安値を切り上げが確定しています。
④でロングする根拠としては、次の3つになります。
- サポートラインでの反発を受け、サポートラインが機能していることが確認できた。
- ネックラインを上抜けたことで、トレンド反転を示唆する逆ヘッドアンドショルダーが示現した。
- 下降トレンドが否定され、上昇トレンドと定義できる。
Wボトムと逆ヘッドアンドショルダーを比較すると、同じネックラインの上抜けでも、ダウ理論上の上昇トレンドが確認できる分、逆ヘッドアンドショルダーの方がロングの根拠として強いことがわかるでしょう。
根拠が強いということは、多くの市場参加者の目線もより転換目線になっているということです。
つまり、転換はより早く、より大きな動きになるのです。
まとめ
さて、ここまで11のチャートパターンをダウ理論との組み合わせで見てきました。
【継続の7つのチャートパターン】
- レクタングル
- シンメトリカルトライアングル
- アセンディングトライアングル
- ディセンディングトライアングル
- フラッグ
- ペナント
- ウェッジ
【反転の4つのチャートパターン】
- Wトップ
- Wボトム
- ヘッドアンドショルダー
- 逆ヘッドアンドショルダー
ダウ理論のトレンドの定義を当てはめてチャートを見ることで、ここを切るまでは上目線、下目線というように目線を固定することができます。
そうすることで、直近の値動きに翻弄されることがなくなります。
ぜひ、ダウ理論上のトレンドの定義を意識してチャートパターンを見るようにしてみてください。
より多くの根拠を拾えることに気が付くはずです。
なお、ダウ理論とチャートパターンについては、次のページでも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。