トレードの心構え

FXで勝てなくて途中でやめてしまう3つの要因

FXで勝てない・・・もうFXなんてやめてしまおうかな・・・

あなたはこんなことを考えていませんか?

デモトレードで繰り返し練習しても、本を読んでも一向に勝てるようにならない・・・次第に小さな損失が積み重なり、どんどん資金は減っていく・・・

このままトレードを続けていても、勝てるようになる気がしない・・・

今トレードしていてうまくいっていない人の多くは、このような状況かもしれません。

この記事では、FXで全然勝てるようにならない・・・どんどんモチベーションが低下して、最終的にトレードをやめてしまう。このよくある挫折パターンの根本には何があるのか?これを深堀りしていきます。

この記事を理解してもらうことで、ほとんどの人がFXで挫折してしまう見えざる大きな壁の存在を知ることができます。

長期でFXトレードに取り組んでいくために、知っておくべき前提知識だと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

FXで勝てないし、もうやめようかな・・・途中でやめてしまう3つの要因

最終的にFXをやめてしまうのには、大きく分けて次の2つのパターンがあります。

  1. 大損する→資金がなくて続けられない→FXをやめる
  2. 勝てない→モチベーションが下がる→FXをやめる

恐らく、この2つのパターンが、FXをやめていくほとんどです。

①の大損するパターンについては、先日こんな記事を投稿しました。

一つの参考にしていただけたら幸いです。

今回テーマとしたいのは、②の「勝てない→モチベーションが下がる→FXをやめる」パターンです。

なぜ、トレードを途中でやめてしまうのか?

もっと言うと、トレードのモチベーションを下げる原因は何なのか?

これを深堀りして考えていくと、次の3つの要因にたどり着きます。

  1. 過大な期待
  2. リアリティの欠如
  3. 教育課程の欠如

一つ一つ順番に見ていきましょう。

①過大な期待

モチベーションが下がる一つ目の要因は、トレードを始める際の過大な期待です。

人のモチベーションはどこから来るのか?

これを考えた時、高い理想とその理想に対する現実感(リアリティ)があると思います。

高い理想

高い理想があれば、人は強いモチベーションを持ちます。

例えば、憧れる理想の未来があって、今の冴えない現実がある。そのギャップが大きければ大きいほど、「よし!やってやろう」となるでしょう。

人のモチベーションの源泉は、理想への憧れ。自分もああなりたい、あんな状態になりたいという強い願いです。

理想が高ければ高いほど、強いモチベーションになります。

リアリティ

理想の未来を自分も手に入れることができるという強いリアリティがあれば、人はモチベーションが湧き、行動することができます。

それは、行動すれば、報われる。必ず成功できるはずだと信じられるからです。

逆に、いくら高い理想があったとしても、「自分じゃ絶対に無理」と現実的に思えなければ、モチベーションが湧きません。

どこか絵空事で、行動に対してのリターンを信じることができないからです。

人が何かをやめる時、それはやっていることに意味を見い出せないか、その期待どおりの結果を得られそうにない時です。

トレードの話で言うと、トレードを続けてもこの先儲けることができないと思った瞬間、「トレードなんてやめてしまおう」となります。

ここで、あなたに考えてもらいたいのは、「あなたが今持っているFXトレードへの高い理想とリアリティは、誰が作ったものなのか?」ということです。

決してあなたが生まれつき持っていたものではありません。過去に、あなたが外部から受けた情報によるものです。

外部からの情報、つまり、誰かが作った理想の未来とリアリティをあなたが信じ、そして、今あなたがFXトレードをしているということなのです。

では、この情報は誰が作ったものなのか?

それは、「あなたがFXに興味を持つことで得をする人間」です。

「誰が得をするのか?」。これは、資本主義の世の中をシンプルに見るためにとても便利な視点です。

この資本主義の世界でカモにされないために必須の視点と言ってもいいでしょう。

あなたが、FXをすることで誰が得するのか?

真っ先に考えられるのは、

  • 口座開設してトレードすることで利益を上げるFX業者
  • 口座開設を紹介することで報酬をもらうアフィリエイター
  • FX商材を販売する情報発信者

この辺でしょう。この人々は、あなたがトレードに対して大きな期待を抱くことで、利益を得ることができます。

金融市場は、プロがしのぎを削る世界。素人がすぐ勝てるのなら誰も苦労しません。

プロの世界で、素人が簡単に負けてしまう。これは考えれば当たり前のことです。しかし、あなたがFXを始めた時、どんな気持ちで始めたでしょうか?

何となくFXだったらすぐ勝てそう、すぐ儲かりそうな気持ちになりませんでしたか?

そうです。

何となく自分でも最初から儲かりそうな気がしてトレードを始める。それは私もそうでした。

ここで考えてほしいのは、このFXは簡単に稼げそうというイメージを作ることで、得をする人たちがいるということです。

例えば、FX業者は、より多くの口座開設者が、トレードをすればするほど儲かる仕組みになっています。

ですから、広告宣伝費に毎年莫大なお金をかけて、新規口座開設キャンペーンなど行うわけです。

どこのFX業者のホームページでも少額の資金で、誰でも簡単に始められることが強調されていますよね?

為替変動リスクがどうだとか、損失を被る可能性があるなんて面倒臭いことは、あまり強調されません。見えないくらい小さな字でページの一番下の方におまけ程度に記載されているだけです。

私は、ここでFX業者が悪い、アフィリエイター、情報商材販売者が悪いなんてことを言うつもりはありません。

だって、資本主義ですから、買う、買わないは消費者が決めること。消費者が自分の責任で判断することです。

ただ、「この情報は誰が発信していて、誰が得をするのか?」これをよく見ておく必要があるということを言いたいのです。

FX業者が、上場している大企業で社会的に認められている会社だとしても、その会社は、決してあなたを儲けさせるために存在しているわけではありません。

あなたを含めた「もっと儲けたい」と考える人々から利益を得て、事業を大きくするために存在しているのです。

少し話が逸れましたね。

FXトレードは、決して簡単なものではないのに、簡単なようなイメージを与えられます。そして、それを真に受けて過度な期待を抱いてしまう。

FXを始めてみたけど最初のイメージと全然違う・・・当初の過大な期待が理想と現実のギャップを生み、その後のモチベーションの低下を生むというわけです。

②リアリティの欠如

モチベーションを下げる二つ目の要因は、リアリティの欠如です

多くの人は、先の見えないことを続けることができません。

先ほど、人のモチベーションには、高い理想とリアリティが必要だと言いました。

リアリティとは、これを続けていれば、理想の未来にたどり着けるという確信です。

この確信が強ければ強いほど、強いモチベーションを持ち、行動を続けることができます。

このリアリティを最も強烈に感じることができるのは、身近にそういう人がいた場合です。

身近に成功している人がいれば、自分もそうなれるかもと心から思えます。実際にできている人が身近にいることは、強力なリアリティですよね。

しかし、あなたの身近でトレードで儲けている人なんているでしょうか?

恐らく、いないでしょう。そうなると、知っているのは、ネットでしか知らないような人ばかり。

そうなると、なかなかリアリティを感じることはできません。

リアリティを感じることができないと、自分のやっていることが本当に正しいのか、間違った方向へ自分が進んでいないのか、どうしても不安になってしまうのです。

リアリティがないから、何の成果が出ない期間に耐えられない。

そうでなくても、人は目先の結果を求めがちなものです。結果も出ない、リアリティも湧かないとすれば、モチベーションが下がって当然です。

③教育課程の欠如

モチベーションを下げる三つ目の要因は、教育課程の欠如です。

金融機関や投資会社の新人トレーダーを想像してみてください。

彼らは、トレードの担当部署に入っても、いきなりトレードできるわけではありません。まずは徹底的に知識を叩き込まれ、デモトレードを繰り返します。

その後、先輩や上司の監視のもと、少額の資金からトレードを始めます。当然、良くないトレードをすれば、上司のダメ出しをくらいます。

徐々に知識を付けて、指導者がついた上で、小さな実践経験を積ませる。この教育プロセスがあるから、組織として収益が立つというわけです。

それに対して、個人のトレーダーはどうでしょう?

あなたがトレードを始めた頃はどうでしたか?

本を一、二冊読んで、口座開設、いきなり実践トレードだったのではないでしょうか?

当然、個人で始める場合、通常の社員教育のような教育プロセスがまったくありません。

知識もないし、実践経験もない。ですが、資金は最初から自由に使えますし、早く儲けたいという欲だけは人一倍持っています。

  • どこにどれくらい投資するのか?
  • どこで利益確定するのか?

自分で好き勝手決められる分、楽だし、面白い。でも、その反面、徹底的な自己管理が求められます。

自らを教育し、管理していく必要があるのです。

でも、普通に生きてきたら、こんな経験をすることはありません。

例えば、学生の時は、授業があって、先生や指導者がいます。会社だったら、研修プログラムや上司、先輩がいます。

自分が知らなければ、教えてくれるし、まずいことをすれば、注意してくれたり、叱ってくれたりします。

教育プロセスなんて面倒なことは、大人や会社が作ってくれていて、それをただ受動的に受ければよかったのです。

既に整備された教育プロセスがあれば、自分で調べたり考えたりしなくて済みます。回り道をするリスクもなく、安心して進むことができます。

既にレールがあって、このレールを歩いていけば、いつか成功できる。そんな安心感がありました。

しかし、個人でトレードを始めるとなると、用意された教育プロセスもないから、当然不安です。

自分で学び、実戦の中で成長するしかないというシビアな世界。知識を得て、デモトレードでトレードに慣れながら、少額の資金で実践経験を積んでいくしかありません。

私たちは、先が見えない不安を抱えながらも、教育プロセスを自分で設計し、自分でこなしていくしかないのです。

僕たちは、低空飛行をどこまで続けられるかという勝負をしている

ここまでの話をまとめると、

  • 過大な期待によって、最初から勝てると思い込んでしまっている。その理想の現実のギャップによって、モチベーションが下がる。
  • リアリティがないから、先の見えないことを続けることができない。うまくいかない期間を乗り越えることができない。
  • 教育プロセスがないから、最初から資金を飛ばしてしまう。自らを教育し、実践の中で自分を徐々に成長させていく徹底的な自己管理能力が求められる。

ということです。

これはとても大切な観点ですが、私たちはトレードで収益を上げるという勝負の前に、トレードで収益を上げるスキルを身に付けるまで継続するという勝負をしています。

トレードスキルを獲得するために大切なのは、「芽が出るまで続けることができるかどうか」です。

自分のトレードスタイル、手法を確立するまで、低空飛行をどこまで続けることができるか、その忍耐力こそが重要なのです。

ここまでお話してきたように、過大な期待であったり、リアリティを感じることができなかったり、教育プロセスがないことが、この低空飛行の大きな障害となります。

私たちは、トレードがうまくいかない時、すぐにその理由を自身のトレードスタイルや手法に求めがちです。

もちろん、トレードスタイルや手法が悪ければ、資金はなくなり、モチベーションも下がるでしょう。自己嫌悪に陥ってやめてしまうこともあるかもしれません。

しかし、最初はうまくいかなくて当たり前です。

身近にトレードでうまくいっている人もいませんし、教育プロセスもない状況ですから、最初から不利な立場に立っているわけです。

長い低空飛行は、ある程度覚悟しておかなければなりません。そのために、超低レバレッジでのトレードで最初から長期戦を想定しておく。

スキルを身に付けるためには、時間が必要であることを認識しておく。

資金を失ってもトレードはおしまいだし、モチベーションを失ってもトレードはおしまいです。

自分は今、何の勝負をしているのか?

これを自分の中で、明確にしておくことがとても大切です。そうすることで、あなたのトレードへの取り組み方は、まったく違ったものになるはずです。