テクニカル分析

水平線を引く際に絶対に押さえておくべき3つのポイント

「自己流で水平線を引くと線ばっかりのチャートになってしまう・・・どう引いたらいいの?」
こんな疑問に答えます。

私のトレード歴は8年。これまで水平線を中心に、ライントレードをやってきました。

そんな私が思うこと。それは、「水平線を引くことは、単純に見えて難しい」ということです。

水平線を一本引くにしても、いろいろと考えることが多くて、引く際には色々な思考や迷いが生まれます。

例えば、

  • ローソク足のヒゲに引くべきか、実体に引くべきか?
  • 上位足、下位足で引いた水平線同士の関係をどう捉えるか?
  • ラインの寿命は?どれくらい前までのラインを気にする?

などなど。

何の基準も持たないまま、何となくラインを引いていたら、ラインばっかりのチャートになってしまいます。

水平線を引くことは、簡単なようで実はとても複雑で奥が深いものなのです。

というわけで、この記事では、私が水平線を引く際に絶対に押さえておくべきと考える3つのポイントを詳しく解説していきます。

一貫性を持ったライントレードをするための第一歩となる大切なお話です。

ぜひ最後までお付き合いください。

水平線を引く際に絶対に押さえておくべきポイントはこの3つです

実は、水平線をどこに引くべきなのかというお話は以前、こちらの記事でも解説しました。まだご覧になっていない場合は、まずはご覧ください。

では、これを踏まえた上で、水平線を引く際に押さえておくべき3つのポイントを解説していきましょう。

1.自分の中に優先順位を持つ

まず、一つ目のポイントが、「自分の中に優先順位を持つこと」です。

迷いとか判断できないというのは、なぜ起こるのか?

それは優先順位が自分の中で明確にできていないからです。だから、迷うし、判断できなくなるのです。

ですから、まず水平線を引く際に押さえておくべきなのは、優先順位を自分の中にしっかりと持つことです。

優先順位がないと、むやみにラインを増やしてしまったり、ラインを引いた後に迷いが生じます。

もちろん、絶対的に正しい優先順位なんてありません。しかし、少なくとも自分の中では持つべきです。それだけで迷いは少なくなりますから。

私は、次のような優先順位を持って水平線を引いています。

①ヒゲに引くべきか実体に引くべきか

ローソク足のヒゲに引くべきか、それともローソク足の実体に引くべきか、これは昔からトレーダーの間で意見が分かれるところです。

私は、基本的にはヒゲを含めてラインを引くことにしています。なぜなら、海外のトレーダーは、ローソク足チャートではなく、バーチャートを見ていたりするからです。バーチャートであれば、高値安値を基準に考えます。

ただ、「基本的に」なので、そうでないこともあります。

正直私は、この「ヒゲか実体か」については結構アバウトに考えていて、「どの辺が一番しっくりくるか?」という視点でラインを引いています。

なぜなら、ラインが機能するかどうかは、結局の所、市場参加者がどこで意識するかだからです。

ヒゲとか実体とかにこだわらず、その時に最も意識されそうな価格に水平線を引くべきだと思っています。

②ラウンドナンバーに寄せる

水平線は、できるだけ「ラウンドナンバー」に引くようにしましょう。「ラウンドナンバー」とは、「00」や「50」などキリのいい価格を言います。

人はキリのいい数字が好きで、99.97円よりも100円を好み、意識をするものです。

また、市場参加者の全てがチャート上にラインを引いて売買しているわけではありません。

ですから、より多くの人が意識する価格という観点から、ラウンドナンバーに水平線を寄せるべきと考えます。

私は感覚で水平線を引いた後、できるだけラウンドナンバーに寄せることができないか検討するようにしています。

③直近のポイントを重視する

例えば、このチャートの丸で囲んだ所のように、ラインを引きたい場所が2つあった場合、あなたはどちらを重視するでしょうか?

もし、トレンドの基準点とか他の要素を考慮に入れなければ、左側の価格よりも右側の価格を重視するようにします。

なぜなら、ラインが機能するかどうかは、実際にその価格で出来高があるかどうかが重要なポイントになるからです。

左側になればなるほど、それは過去のものとなり、時間経過とともにポジションが解消されていきます。

もちろん、実際のポジションだけではなく、人の意識や記憶としても消えていきますから、できるだけ直近の価格を重視するようにします。

④反応した回数を意識する

何度も効いている(反応している)水平線は、より重要になります。

当然、何度も反発している水平線は市場参加者にも意識されますから、重視するのは当然ですよね。

単純に何度も反応している水平線は、その後も意識され、将来にわたってサポートライン・レジスタンスラインとして機能します。

⑤上位時間足で引いた水平線を意識する

上位時間足で引いた水平線と下位時間足で引いた水平線、どちらを優先すべきかというと、それは間違いなく上位時間足のラインを優先すべきです。

例えば、4時間足で引いた水平線より週足で引いた水平線をより重視すべきということです。

その理由は、上位時間足は下位時間足を包括するからです。

例えば、上位時間足で反転したものは、下位時間足を見ると必ず反転しています。考えてみると当たり前ですよね。

しかし、逆はそうならないこともあります。下位時間足で反転していたとしても、上位時間足では反転の動きとまではならないことが多々あります。

つまり、市場参加者がより多く見るだろう上位時間足の反転のラインは、下位時間足のそれよりも意識されて然るべきだろうということです。

ちなみに、私は月足、週足、日足、それぞれの時間足で引いた水平線を区別するため、線の太さを時間足ごとに変えています。

これは、太いラインほど重要という認識を持って、チャート分析するためです。

さて、5つの事柄について説明してきました。私は実際に上記のような優先順位を付けながら水平線を引いています。

2.行き過ぎを許容する

二つ目のポイントが、「行き過ぎを許容する」です。

水平線を引いたからと言ってそこで必ず止まるわけではありません。

そのラインが強く意識されていたとしても、相場には必ず行き過ぎというものがあるからです。

水平線ちょうどぴったりで反転したりすることは稀。ほとんどの場合、その手前だったり行き過ぎたりします。

そういう観点からも「線」ではなく「幅を持った帯(バンド)」として捉えた方がいい場合があります。

  • 反転する可能性を持った価格帯
  • これを抜けると流れが加速する価格帯

水平線は、あくまでも「機能すると思われるところに自分が勝手に線を引いている」に過ぎません。そのラインで価格が本当に反応するかは、その時にならないとわからないのです。

もちろん、ラインが機能するという前提でトレード戦略は立てるのですが、そうならないことも十分あり得るという前提をまずは理解しておくべきです。

相場の未来は誰にもわかりません。だからこそ、相場には行き過ぎがあることを想定し、水平線で必ず止まるというような思い込みを捨て、一本の線として見るのではなく、いくらかの誤差を含んだバンドとして見るべきということです。

次のチャートは実際のトレード戦略の際に作った画像です。抵抗帯というのは、こんなイメージです。

3.意識されないラインは消す

三つ目のポイントが、「意識されないラインは消す」ことです。

漫然とチャート分析をすると、「ここで止まるかも。ここでも止まるかも。」というように、無数に水平線を引きたくなります。

もちろん、それらすべてが意識され、機能するのなら必要なラインですが、できる限りラインは少ない方がいいでしょう。多く引けばいいというものではありません。

水平線は、あくまで相場の階層を理解し、トレード判断に生かすために引くものです。

判断を難しくしてしまわないよう、シンプルなチャート分析をするため、できるだけ不要な水平線は引かないようにしましょう。

ラインを減らす工夫としては、

  • 前述したようにバンドとして考えてみる
  • 一本にまとめることができないか検討する

などがあります。

次のチャートの水平線のように、過去に機能していた水平線でも直近ではあまり機能しなくなる場合があります。

もし、現在あまり意識されていないようであれば、潔く水平線を消してみましょう。

まとめ

さて、ここまで水平線を引く際に絶対に押さえておくべき3つのポイントを解説していきました。

おさらいすると、

  • 自分の中に優先順位を持つ
  • 行き過ぎを許容する
  • 意識されないラインは消す

この3つでしたね。

誰でも慣れないうちは、たくさんの水平線を引いてしまい、見にくいチャートになってしまうものです。

これは、完璧主義の人がよく陥りがちな間違いです。水平線を引く際は、自分がなぜ水平線を引くのか、その目的を思い出してください。

  • 自分は、何のために水平線を引いているのか?
  • 自分は、その水平線から何を見出そうとしているのか?

トレード判断を下すために水平線を引くわけですから、わかりやすくシンプルなチャート分析を目指しましょう。

水平線は、ライントレードする上で最初に学ぶ知識であり、超重要なスキル。ぜひマスターしてください。