トレードをしていても、なかなか資金が増えない・・・
あなたは、こんな悩みを抱えていませんか?
- 勝つときは小さく、負けるときは大きい・・・
- 小さく勝つ、小さく負けるを繰り返している・・・
もし、あなたがこのような状況に陥っているなら、「ポジションサイジング」を学ぶべきでしょう。
「ポジションサイジング」とは、
- 資金に対して、どれくらいのポジションをとれるのか?
- そして、どれくらいのポジションが最適なのか?
このようにポジションサイズを考えることを「ポジションサイジング」と言います。
市場参入後、ほぼ全ての人が撤退してしまう最も大きな原因は、ポジションサイジングのルールを持たずに参入してしまうことにあります。
この記事では、
- ポジションサイジングの3つの目的
- ポジションサイジングでよくある3つの間違い
- 最適なポジションサイズを導き出す3つのステップ
- ポジションサイズをコントロールするための2つの方法
など、ポジションサイジングについて、包括的に解説していきます。
ポジションサイジングをまったく知らないという人でも、この記事を最後まで読んでいただければ、その概要と重要性は十分に理解していただけると思います。
ポジションサイジングを学ぶことで、資金を安定的、かつ効率的に増やすことができます。
なかなか資金が増えない・・・そんなあなたのトレードが変わるはずです。
では、さっそくいきましょう。
1.ポジションサイジングの3つの目的
ポジションサイジングの目的は、次の3つがあります。
- 精神状態を保つ
- 利益を最大化し、損失を最小化する
- トレーディングシステムを持つ
では、一つ一つ見ていきましょう。
①精神状態を保つ
トレードは感情が動くものです。大切な資産が増えたり、減ったりするわけですから当然のことでしょう。
トレード中に人は、興奮、焦り、不安、恐怖、期待、希望、安心、緊張、欲望、後悔、嫌悪、苦しみ、怒り、悲しみ、絶望など、さまざまな感情が生まれます。
そして、人は感情的になり、冷静でいられなくなると、想定外の行動をとります。そして、その行動の多くは間違いとなります。
ポジションサイジングのルールを持つことによって、感情の揺れを最小限に抑えることができます。
例えば、トレードにおける損失額を予め想定しておくことができれば、損失額に達するまでは、感情を抑えることができるでしょう。
想定外の行動を防ぐためにも、精神安定的にも、ポジションサイジングのルールを持つべきなのです。
②「損大利小」を防いで、資金効率を良くする
相場の世界では、勝つためには「損小利大」が大切であるとよく言われます。
しかし、ほとんどの人はその逆の行動をしてしまいます。これは、人の感情に従うと自然とそのような行動をとってしまうことにあります。
例えば、利確ポイントまでホールドできず、利確してしまったり、損失を確定させるのが怖くて、損切りできなかったりするわけです。
それは、結果的に「損大利小」に繋がり、資金を大きく減らす原因となります。
ポジションサイジングのルールを持つことで、感情を抑えることができ、当初に想定していたエグジットポイント、損切りポイントまで落ち着いて相場を見ることができます。
また、トレード前に冷静に資金に対して最適なポジションサイズを算出できれば、効率的に資金を増やすことができます。
「損大利小」を防ぎ、資金効率を良くする。これが2つ目の目的です。
③トレーディングシステムを持つ
裁量トレードで一貫性と継続性を持たせるために、自分の中で「トレーディングシステム」を構築することはとても大切なことです。
「トレーディングシステム」とは、トレードアイディア、エントリー、エグジットが一体となったトレードの一連の枠組みをいいます。
トレーディングシステムを持つことで、毎回一定の行動を取ることができ、パフォーマンスが悪ければ、検証・改善をすることができます。
ポジションサイジングは、このトレーディングシステムに組み込まれる重要な要素の一つです。
ポジションサイジングのルールを自分の中に持つことこそが、優れたトレーディングシステムを手に入れる第一歩となるのです。
2.ポジションサイズでよくある3つの間違い
ポジションサイズでありがちな間違いが3つあります。
- どれだけ損失を被るかわかっていない
- 常に一定のロット数でトレードしている
- 資金に対して最適なロット数でない
一つ一つ説明していきましょう。
①どれだけ損失を被るか把握していない
あなたはトレードをする際に、最大でどれくらいの損失になるか把握しているでしょうか?
人は不思議と最高に良い結果しか想像しないものです。ですから、損失となることを多くの人は想定していません。
だから、損失を受け入れることができないのです。
しかし、本来、利益となったり損失となったりトータルでプラスを目指していくのがトレードです。
どんなに高い勝率の手法だとしても、損切りをしなければならない場面は絶対にあります。
損切りしたら、どれくらいの損失になるかを見積もってからトレードするべきです。
②常に一定のロット数でトレードしている
「毎回1万通貨でトレードする」など、一定のロット数でトレードしてしまうのもよくある誤りです。
これがなぜ誤りなのかというと、損切り幅によって、損失額にバラツキが出てしまうからです。
そうなると、当然収益は安定しません。
収益を安定させるために、常に同じロット数でトレードするのではなく、損切り幅によってロット数を調整すべきです。
③資金に対して最適なロット数でない
資金に対して最適なロット数でないのもよくある間違いです。
最適なポジションサイズでないと、資金に対して過大なリスクを抱えてしまったり、いつまでも資金が増えなかったりします。
資金に対してポジションが大き過ぎる場合と小さ過ぎる場合、この2パターンについて考えてみましょう。
資金に対して大きすぎるロット数でのトレード
資金に対してロット数が大き過ぎるとどうなるのでしょう?
それは、大きなドローダウンを食らう可能性が高まります。
一度大きなドローダウンを受けてしまうとドローダウン前の水準に復活するのは困難になります。
例えば、あなたが100万円の資金でトレードしたとします。
損切りとなって、50万円に目減りしてしまうと、50万円から100万円に戻すために必要な利回りはいくらになるでしょう?
・・・
考えてみましたか?答えは・・・100%です。
利回り100%が必要となります。当初の資金に戻すだけで、それだけの利回りが必要となってしまうのです。
一度大きなドローダウンを受けてしまうと、資金を元に戻すために大きな利回りが必要となります。
ちなみに、ドローダウンを受けなかった場合、100%の利回りだと200万円となっています。
これを見てもらうと、資金の落ち込みがいかに収益に深刻な影響を及ぼすか、理解していただけるでしょう。
資金に対して小さすぎるロット数でのトレード
ロット数が小さければ問題ないんじゃないか?
そう思うかもしれませんが、資金に対してポジション量が小さければ、それはそれで問題があります。
まったく資金が増えないからです。
つまり、これは結果として、あなたの目標達成に長い時間がかかってしまうということです。
また、為替の場合、突発的な変動によって、想定外の大きな損失となってしまう場合があります。
無駄に市場に資金を晒すのはやめましょう。大切な資金を市場に晒しているリスクを負っていることをもっと自覚すべきです。
3.最適なポジションサイズを導き出す3つのステップ
では、次に最適なポジション量を導き出す3つのステップをご紹介します。
次の3つのステップを順に進んでいくことで、最適なポジションサイズを自然と導き出すことができます。
STEP1 まずは損切りラインを決める
まずは、根拠のある合理的な損切りラインを決定します。
ポジション量はこの損切りラインに合わせて調節します。
損切りラインは、”自分のトレード根拠が崩れる場所に置く”のが損切りの基本です。
STEP2 許容損失額を決定する
損切りラインを決めたら、これに合わせてロット数を設定します。
繰り返しになりますが、ロット数を固定してしまうと、トレードごとで損失額にばらつきが出てしまう問題があります。
継続的に安定したトレードをするためには、固定すべきなのは、ロット数ではなく「許容損失額」です。
「許容損失額」とは、1トレードで自分で許容できる損失額をいいます。つまり、自分が1トレードでリスクをどれだけ受け入れるかという金額です。
最初に資金の何%まで許容できるのかを考えてみます。
一般的に、資金の1~5%が良いとされていますが、例えば、5%のリスクを取るとした場合、100万円の資金であれば、許容損失額は5万円になります。
単純計算で、10連敗すると資金の半分、20連敗すると資金の全てを失うことになります。
リスク量は、
- トレードの勝率
- 損失額を自分の中で処理できるか
という2つの観点から設定しましょう。
STEP3 ロット数を計算する
エントリーから損切りまでの距離(pips)、損失許容額が決めれば、ロット数は次の算式で自動的に算出することができます。
許容損失額 ÷ エントリーから損切りまでの距離(pips) = ロット数
この算式から導き出されたロット数を使えば、トレードにおける最大損失額を一定にすることができます。
つまり、毎回同じリスク量でトレードすることができるのです。
4.ポジションサイズをコントロールするための2つの方法
トレードは、損失は最小限に抑え、利益を最大化する必要があります。
相場環境に合わせて、ポジションコントロールを行うことで、リスクを抑えながら、利益を最大化することができます。
ポジション量をコントロールするのは、トレード前に限らず、トレード中でもコントロールすることが可能です。
トレード中にポジションサイズをコントロールする方法としては、次の2つがあります。
- 分割決済
- ピラミッティング
では、一つずつ説明していきましょう。
①分割決済
「分割決済」とは、トレード中にポジションを減らすことです。
相場の底と天井を読み当てることは、誰もできません。値動きから底が近い可能性がある、天井が近い可能性があるくらいしかわからないのです。
ですから、ポジションを保有していて、どこで決済すべきなのかは、全てのトレーダーの悩みどころです。
そこで、おすすめなのが分割決済です。一括で決済を行うのではなく、分割して決済をするのです。
例えば、利益が十分に乗っているけど、今後、さらに値が伸びていくのか、それとも反転してしまうのか判断がつかないという場合、半分を決済してしまい、もう半分をそのまま保有し続けるのです。
こうすることで、その後、値が伸びれば、そのまま利が乗りますし、もし反転したとしても、半分は利確していますから、利益を確保していることになります。
分割決済するときに、半分は利確してしまい、残りの半分については、損切りポイントをブレークポイント(エントリーポイント)に引き上げて、確実に利益を残す方法は特におすすめの決済方法です。
②ピラミッティング
「ピラミディング」とは、自分の想定どおりに値が動いた場合、トレード中にポジションを積み増す手法です。
大きなポジションを一回で取るのではなく、想定通りに値が動いたことを確認しながら、徐々にポジションを積み増していきますので、確実性は増します。
トレンドフォローの際、ピラミッティングをすることで、大きな利益を得ることができます。
大きなトレンドに乗ることができれば、当然利益も大きくなりますが、逆行リスクもその分大きくなります。
ポジションサイジングのルール内においてポジションを積み増すことが大切です。
ファンダメンタルで大きな変化が生じ、長期的なトレンドが発生する可能性がある場合は、トレンドに乗りながらポジションを徐々に取っていくピラミッティングが最適です。
5.まとめ
ポジションサイジングは、一言で言うと、「資金に対してのポジション量を最適化し、安定的かつ効率的に運用するためのルール」と言えるでしょう。
小さく勝って、小さく負ける、それを繰り返すうちに大きく負けてしまって、資金とモチベーションを大きく削がれてしまう・・・
これが多くのトレーダーが陥ってしまうトレードの罠です。
チャート分析を勉強するだけでは、資金は十分に増えません。ポジションサイジングを学び、自分の中にしっかりとルール化することが大切です。
トレードを続けていけば、この場面は勝率が高いという場面が分かってくるものです。
これがいわゆる自分の勝ちパターンなわけですが、このような場面がわかってくると、そこで、ある程度リスクを取って攻めていくことが大切になってきます。
つまり、「自分の勝ちパターン」×「ポジションサイジング」この両輪が大切です。
資金を増やすというトレードの目的を果たすためには、チャート分析と同じくらいポジションサイジングは大切なもの。
ぜひチャート分析と併せて学んでいきましょう。