今回は、FXの取引において最も重要といっても過言ではない、“リスクリワード”についてご紹介していきたいと思います。
“リスクリワード”という言葉を聞いた事がある人も多いかと思いますが、その言葉自体を聞いた事がない人や、聞いたことはあるが、あまり良く分かっていないという人も多かと思います。
FXを続けていく上で、とても重要なものになってきますので、そのような人の為に分かりやすく解説できたらと思います。
リスクリワードとは
さて、まずは“リスクリワード”とはなんぞやというところから説明していきます。
リスクリワードとは、平均利益と平均損失を比べた際、それらの比率がどのようにになっているかを確認する為の指標又はツールと思って下さい。
それでは、FXの取引を行う上で、その比率がどのように関わってくるのか、疑問に思う人もいるかと思いますので、その“比率”の重要性について説明します。
例えば、1ヶ月間トレードを行ったとし、そのトレードの結果が以下のような場合だとします。
- 平均利益:1000円
- 平均損失:500円
上記の様な取引結果の場合、リスクリワードは“2”となります。上記の例は、ひとまず色々な事を省かせていただいておりますので、細かい事は順番に紹介させていただきます。
まずは、上記の例の場合における、リスクリワードの“2”という数字ですが、この数字は、平均利益が平均損失の2倍あるという事です。
もう少し詳しく説明しますと、1ヶ月に10回取引を行った結果、8回負けて2回勝ったとします。言い換えますと、勝率20%=80%が負け取引にも関わらず、平均利益が平均損失の倍あるという事が分かります。
このような状況を“損小利大”といいます。
そして、この“損小利大”こそが、FXで勝つ為の鍵となる事はいうまでもありませんが一応補足として、未来の相場を予想する事は不可能に近いですが、“損小利大”の取引を行う事で、自分の考えや予想、手法が当てはまった時に大きく利益を上げ、プラスに転じさせる事ができるという事です。
まとめとして、リスクリワード比を計算した結果の数字が、高ければ高いほど、利益を出す可能性のある取引を行なっているという事が分かるかと思います。
この“数字”の注意点として、ただ単に数字を上げれば良いというものではないので、自分の手法の勝率の事も注視していく必要があります。
実際の使い方をご紹介!
まずは平均値を計算してみましょう!
次に、“平均利益”“平均損失”の計算方法ですが、これは単純に、利益・損失の合計を取引回数で割ればいいだけです。
平均損失を求める場合も同様です。毎回計算するのが面倒な人は、エクセルなどであらかじめ計算式を入れておくと楽かと思います。
上記の2つを算出した後に、“平気利益÷平均損失”を計算すると、“リスクリワード”を出す事ができます。
この平均値の計算ですが、この計算を行う場合の注意点として、あらかじめ自分の手法を分析しておく必要があります。
と言うのも、なんとなく行った10回の取引結果で算出したとしても、そこで出した数字というのは全く信用性が無いからです。
ここで重要になってくるのが、バックテストというものです。
先ほど、なんとなく行った10回の取引結果で算出しても意味がないとお伝えしましたが、バックテストを行って、過去数年間の相場から、今現在までの期間の結果で算出する事により、より現実味のある、自分の手法のリスクリワード比を確認する事ができます。
実は勝率も重要!?
ここで先程お伝えしました、“勝率”も注視していく必要があるということに関してですが、なぜ注視していく必要があるのかという点を軽く説明したいと思います。
例えば、勝率が80%あったとして、平均損失が1000円、平均利益が500円だったとします。この場合のリスクリワードは0.5となります。
勝率が80%あるにも関わらず、平均損失が平均利益の0.5倍あるという事です。
この結果から分かる事として、勝率は高いが、負けトレード時の損切り幅が大きいという事が分かるかと思います。
この例の様に、勝率だけにこだわって取引を行うというのは良く無い事だという事が分かるかと思います。
逆に、勝率50%で平均利益が500円・平均損失が1000円といった場合には、リスクリワードは上記と同様に“0.5”となりますが、勝率が下がってるにも関わらずリスクリワード“0.5”という事は、勝率80%の取引よりも低い勝率で同じ取引ができているという事が分かります。
このように、勝率だけが高ければ良いというものではなく、勝率とリスクリワードがうまくバランスを保っていく事が重要です。
もう少し分かりやすくいいますと、ある程度の勝率である程度のリスクリワードを保つ事のできる手法が重要という事です。
ネット上では、リスクリワードが2?3以上が望ましいといわれている事もありますが、実際はそれが1.5であれ1.7であれ、継続的にしっかりと利益を出す事が重要です。
あくまで、プラスの取引を行う為にはどうしたら良いかという事に関しての“指標”のようなものと考えて下さい。決して、数字を良くする為だけに手法を考えるのは得策ではないので、しっかりとその事を忘れないで下さい。
以上がリスクリワードに関する説明となります。上記の説明では、利益・損失の“額”で計算しましたが、pipsで計算するという事も出来ますので、最後に少しその点に触れて終わりとしたいと思います。
おまけ
pipsで計算する方法!
それでは、リスクリワードをpipsで計算するという事についてです。
基本的には、リスクリワードはpipsで計算して出すものなのですが、買い増しであったり、売り増しであったり、色々な取引の方法がありますので、pipsで計算すると少しややこしくなります。
ですので、分かりやすく説明する為にも“額”で計算させて頂きました。
pipsで算出する場合は、毎回決まった枚数で取引している人であれば、額で計算した時と同様の方法で良いので問題は無いかと思いますが、そうでない場合は、細かく計算する事が必要となります。
細かくと言ってもそんなに難しい事では無いのでご安心下さい。それでは細かく計算する方法についてです。
簡単にいいますと、ロット数が一定でない場合は、最終的にロット数の平均を出して計算すれば良いです。
2lot +10pips
4lot +20pips
8lot -40pips
8lot +30pips
平均lot数=5.5lot
平均利益=15pips
平均損失=10pips
15÷10=1.5(リスクリワード)
そして、平均利益・損失に、平均lot数を掛けてあげると、実際の平均利益・損失のpipsを出す事ができます。
このように、pipsで計算する際、取引枚数がバラバラですと、少し計算が面倒になります。
額で計算する場合であっても、pipsで計算する場合であっても、上記で述べたように、あくまで1つの“指標”と捉えていただければ良いかと思いますので、どちらか使いやすい方を選んで使って頂けたらと思います。