トレードの心構え

トレードの時間がない・・・サラリーマントレーダーが陥る落とし穴

トレードする時間がない・・・

これは、日中に仕事をしている多くのサラリーマンの悩みでしょう。

帰宅後、ちょっと一息して、チャートに向かうのは夜10時過ぎ・・・そこからやっと2時間くらいトレードができる・・・

日中忙しいサラリーマンであれば、どうしてもこのようなライフスタイルになります。時間がない上、チャート分析も眠くて十分に行うことができません。

「早く稼ぎたい・・・」そんな焦る気持ちだけが先行していく・・・。私自身もトレードの時間があまり取れませんでしたから、その気持ちはよくわかります。

しかし、この「トレードしなければ・・・」という考え方は、とても危険です。

なぜなら、本来、「相場」にフォーカスするべきところを「自分」にフォーカスしてしまっているからです。

トレードで収益を上げられるかどうかは、相場環境がすべてです。

優れた手法やテクニックではありません。 もちろん、これらも重要ですが、トレードを構成する一つの要素に過ぎません。

相場環境が良くなければ、いくら優れた手法やトレーディングスキルを持っていても、収益を上げることは難しいでしょう。

例えば、相場がほとんど動いていない時に、無理やりレバレッジを効かせてトレードすることは、ただのギャンブルです。

トレードをしなければならない・・・そんな意識を持っていると、自然と「オーバートレード」になります。

早く収益を上げたいがために、トレード回数を増やそうという心的バイアスがかかってしまうのです。

トレード回数が増えると、必然的にトレードコストがかさみ、パフォーマンスを引き下げます。

確率が高いと思われるトレードだけを厳選し、より少ないトレードを行うという意識がトレードにおいては、とても大切なのです。

この視点を書籍「高勝率トレード学のススメ」(マーセル・リンク著)ではこう説明しています。

ネコ(ソフィー)は外に行くのが大好きだった。だから、アパートの向かいの公園に毎晩連れていった。

ある夜のこと、いつもの公園でハトの群れを見つけた彼女は、ひっそりと忍び寄って身をかがめると、数分間観察して、私の元に戻ってきた。

それから数日後、いつものように公園に行くと、今度は低い茂みの上に1羽のスズメを見つけた。彼女は茂みの辺りに忍び寄ると、また身をかがめて草の葉の陰に隠れた。

彼女は今回は微動だにすることなくおよそ15分間もスズメをじっとみていた。

そして、スズメが茂みから草のほうに飛び降りるや否や、ソフィーは尻を震わせて2メートル近くもジャンプして空中でスズメを捕らえると、地面に取り押さえた。

(中略)

ソフィーはチャンスは一度しかないことを知っていた。

だから相手の出方を辛抱強く待って、一度のチャンスをものにしようと考えたのである。

結局待っただけの甲斐はあり、絶妙のタイミングでスズメを捕まえることに成功した。

トレードの場合もまったく同じである。

市場が低リスクで高確率の機会を提供してくれるまで辛抱強く待てば、パフォーマンスは飛躍的に向上する。

引用:高勝率トレード学のススメ

プロのトレーダーは、仕事として長い時間、トレードに向き合うことができます。しかし、アマチュアトレーダーはそれができません。

また、プロのトレーダーは、会社の豊富な資金と情報を持ち、優れたコーチや同僚のトレーダーの影響で、高いスキルを身に付けます。

アマチュアのトレーダーは、時間以外にも大きなハンディを負っています。つまり、最初からかなり不利な勝負に挑んでいるのです。

では、アマチュアは絶対に勝てないのかというと、私はそうは思いません。

私達がすべきことは、資金、情報、コーチ、スキル、時間がないことを認識した上で、どうするのかを考えることです。

資金がなければ、貯めることを考えなければいけないし、情報がなければ情報を集める手段を調べる。

コーチがいなければ本や誰かから学ぶ機会を探し、スキルがなければ、スキルを高める方法を考える。

時間がなければ、時間をどうやって作るかを考えたり、トレードスタイルを変えることを考えるのです。

いずれにしても、「今やれない」は「今やらない」理由にはなりません。すべては問題を認識するところから始まります。

もし、トレードに多くの時間を割けないのであれば、あなたがすべきことは何でしょうか?

トレードしたいという衝動を抑えて、少し時間をかけて考えてみてください。