私は、トレード歴8年。これまで、サポートラインやレジスタンスラインを中心としたライントレードをやってきました。
この記事では、
- サポートライン、レジスタンスラインとは何か?
- どのような特性や機能があるのか?
- 具体的にどうトレードで使えばいいのか?
など、基礎的な解説から、そのラインの本質部分まで、チャートを使いながら徹底的に解説していきます。
サポートラインとレジスタンスラインは、トレード戦略立案からエントリー、エグジットのタイミングにまで幅広く使う重要なツールです。
このラインをうまく使えるかどうかで、トレードの精度が大きく変わります。
テクニカル分析における基本中の基本であり、最終的に最も使うテクニカルツールと言ってもいいでしょう。
うまく使えば、あなたにとって強力な武器となるはずです。
ぜひ、最後までお付き合いください。
サポートラインとレジスタンスラインとは?
まずは、サポートライン・レジスタンスラインとは何か?というところからお話ししていきましょう。
サポートラインとは?
サポートラインは、「下値支持線」とも呼ばれます。言葉のとおり、下値を支えるラインですね。
これには、主に水平線のものとトレンドラインのものがあります。
例えば、水平線のサポートラインはこんな感じです。
トレンドラインのサポートラインはこんな感じ。
いずれにしても、価格を支えるラインということです。価格がサポートライン付近まで落ちてきたら、多くの場合、相場は反発します。
レジスタンスラインとは?
レジスタンスラインは、「上値抵抗線」とも呼ばれます。言葉のとおり、上値を抑えるラインです。
例えば、水平線のレジスタンスラインはこんな感じです。
トレンドラインのサポートラインはこんな感じ。
価格がレジスタンスライン付近に近づくと、それ以上、上げないように頭を抑えるラインです。
なぜ、サポートラインとレジスタンスラインは機能するのか?
さて、
- サポートラインは下値を支えるラインとして機能する
- レジスタンスラインは上値を抑えるラインとして機能する
ラインには、こういった機能があると説明してきました。
次に、「これらがどうして機能するのか」をちょっと考えていきましょう。
結論から言うと、
- 心理的偏り
- 決済による反対売買
この2つの要素が組み合わさって機能します。
それでは、それぞれ説明していきます。
心理的偏り
まず、一つ目が「心理的偏り」です。
相場の価格は、その通貨ペアの需要と供給のバランスによって決まります。つまり、売りと買いのバランスがちょうど取れたところに価格が落ち着くということです。
価格は、その通貨ペアのその時点でのあるべき価格に自然と誘導され、いずれ落ち着きます。
価格が動くとすれば、それは需要と供給に変化が表れる時です。売りと買いのバランスが崩れ、売りに傾けば価格は下がり、買いに傾けば価格は上昇します。
この売りと買いのバランスの変化は、市場参加者の心理的偏りによって生まれます。
そして、その心理的偏りが生まれる要因の一つは、サポートライン・レジスタンスラインそのものです。
例えば、現在ドル円が101円で、100円が節目として強く意識されているとします。
100円付近まで価格が下がってきたとして、100円に近づけば近づくほど値ごろ感から新規で買いたい人が増えます。
なぜなら、100円が市場参加者に意識され、反発上昇することが容易に想定できるからです。
また、100円に近づけば近づくほど新規で売る人が減ります。なぜなら、100円で反発することが想定されるので、売りで入るのはリスクが高いと判断するからです。
つまり、100円に近づけば近づくほど、買いは増えて、売りは減る。
ラインが意識され、サポートラインとして機能することを想定できるので、市場参加者の心理的偏りが生まれ、売りと買いのバランスが崩れ、サポートラインが機能するように自然と相場が動くのです。
この原理は、レジスタンスラインも同じことです。
レジスタンスラインとして機能することを想定させるので、そこに心理的偏りが生まれ、意識された価格は自然とレジスタンスラインとして機能するのです。
決済による反対売買
では、次が「決済による反対売買」です。
「決済による反対売買」とは実際のポジションの変化による作用です。
100円よりも高い価格で売っていた人は、100円に近づくと利益確定しようとするはずです。なぜなら、100円がサポートラインとして機能することを事前に想定できるからです。
つまり、100円に近づけば近づくほど、売りの利益確定のボリュームは増えます。
売りの利益確定は「買い」ですから、100円付近で大量の決済買いが生まれます。これによって、相場が反転し、結果として「100円がサポートラインとして機能した」ということになるのです。
このように、サポートライン・レジスタンスラインが機能するのは、心理的偏りと決済による反対売買が原因です。
節目を市場参加者に強く意識されることで、そのラインに近づけば近づくほど心理的偏りと決済による反対売買が生まれ、反転しやすくなる。
これは、卵が先か、鶏が先かの話のようですが、サポートライン・レジスタンスラインが機能すると市場参加者が想定することこそが、サポートライン・レジスタンスラインが機能するそもそもの原因なのです。
サポートラインとレジスタンスラインの特性
サポートライン・レジスタンスラインが何かを理解していただいた上で、それぞれのラインが持つ特性について、もう少しお話ししていきましょう。
サポートラインの特性
①サポートラインに接近すると反発上昇しやすい
これは、繰り返しになってしまいますが、サポートラインに価格が接近すると、価格は反発上昇しやすい性質があります。
これは、なぜサポートラインが機能するかを理解していただけていれば、すんなり腑に落ちる話だと思います。
サポートラインに接近することで、新規の買いが増え、売りの利食いが入りやすくなるからです。
②サポートラインを下に抜けると、さらに下落しやすい
サポートラインを下に抜けると、価格は一気に下げます。これをブレイクアウトと言ったりします。
これは、サポートラインを下に抜けることで、新規の売りとそれまで買っていた人たちの買いの損切りが出やすくなるからです。
レジスタンスラインの特性
①レジスタンスラインに接近すると、反落しやすい
レジスタンスラインに接近すると、価格は下げやすくなる性質があります。新規の売りが増え、買いの利食いが入りやすくなるからです。
②レジスタンスを上に抜けると、さらに上昇しやすい
レジスタンスラインを上に抜けると、価格は一気に上げます。
それは、レジスタンスラインを上に抜けることで、新規の買いとそれまで売っていた人たちの売りの損切りが出やすくなるからです。
サポートラインとレジスタンスラインの逆転
サポートラインとレジスタンスラインには、「一度抜けるとその役割が逆転する」というトレードプランを立てる上で、非常に重要な性質があります。
これを、レジサポ転換、サポレジ転換と言ったりします。
例えば、上のチャートのA地点からB地点までの流れを見てください。
A地点で支えられたラインにサポートラインを引きます。このサポートラインを一気に下に抜けました。そして、そこからBに到達。
この時に注目してもらいたいのが、サポートラインであった水平線が、今度はレジスタンスラインとして機能していることです。
これは、つまり、市場参加者の目線が下がった、つまり相場が弱気になったということです。
B地点からC地点までを見てください。今までレジスタンスラインとして機能してきたものが、一度上抜けるとそれがサポートラインに変わっています。
これは、市場参加者の目線が上の階層に上がったことを意味していて、相場が強気になったということです。
この役割の逆転を、レジスタンス・サポート転換(レジサポ転換やサポレジ転換)といいます。
この特性をフルに活用して、トレード戦略を立てていくのです。
サポートラインとレジスタンスラインの具体的使い方
サポートラインとレジスタンスラインにおいて具体的にどう使うのかを考えていきましょう。
ここでは、代表的な3つをご紹介します。
ブレイクアウトからの押し目買い・戻り売りのパターン
例えば、これまでレジスタンスラインとして機能していたラインを上にブレイクアウトしてきたというパターンです。
サポートライン・レジスタンスラインからの反転を狙うパターン
例えば、これまでレジスタンスライン(サポートライン)として機能していたラインを反発することを想定して、逆張りで狙っていくパターンです。
ダマシを狙う逆張りパターン
ラインをブレイクアウトして、それがダマシとなって戻ってきた場合に、押し目買い(戻り売り)を仕掛けていくパターンです。
これは、個人的に好きなパターンで、短期的に大きく獲れることがあります。
しかも、こうした場面は結構あります。このパターンについては、こちらで詳しく解説しています。
まとめ
さて、ここまでサポートライン、レジスタンスラインの基礎知識、具体的な使い方など解説してきました。
まとめると、
サポートライン
・「下値支持線」と呼ばれる
・価格を支える機能がある
・価格が接近すると上昇しやすい
レジスタンスライン
・「上値抵抗線」とも呼ばれる
・価格を抑える機能がある
・価格が接近すると下落しやすい
ラインをまたぐと、機能が逆転する。(レジサポ転換、サポレジ転換)
サポートライン・レジスタンスラインの機能を押さえておくことで、さまざまな戦略や戦術に応用することができます。
ぜひ、心理的側面、決済による反対売買の側面を含め、なぜラインがそうなるのかという部分も踏まえて押さえておいてください。
そうすることで、より多くの場面で応用することができるようになるはずです。
なお、具体的なラインの引き方については次の記事で詳しく解説していますので、こちらを参考にしてください。