買えば下がるし、売れば上がる・・・チャート分析に時間をかけているのに全然勝てるようにならない・・・
そんな状況のあなたをよそに、確実に収益を上げている人もいます。
トレードの上手い人と下手な人では一体何が違うのでしょうか?
これは、一つには「情報量の差」があるでしょう。チャートから得ている情報量に圧倒的な差があるのです。
情報量が違えば、見える景色も、トレード判断もまったく違うものになります。
この記事では、チャートからより多くの情報を引き出すためにどのような視点で相場を見るべきかその辺について詳しく解説していきます。
トレード戦略の根幹となる概念となりますから、ぜひ最後までお付き合いください。
では、さっそくいきます。
1.縦軸と横軸の概念
トレードは、
- いつどの価格で買って、それをいつどの価格で売るか
- いつどの価格で売って、それをいつどの価格で買うか
というゲームです。
ですから、
買いは、上がりやすいときに上げる余地がある価格で買い、売りは”下がりやすいときに下げる余地がある価格で売る
これが基本になります。
その、タイミングと価格を絞り込むために、テクニカル分析を行うわけですが、その際、縦軸と横軸の2つの軸を意識します。
1-1 縦軸=価格
チャートでの縦軸は価格です。
縦軸で注目されるのが、価格の節目です。この価格の節目をわかりやすくするために水平ラインを使います。この水平ラインは、2つの重要な役割を持ちます。
役割1 トレードプランを立てるため
まず一つ目が、トレードプランを立てるためです。
価格の節目、つまり、水平ラインは反発する可能性があり、抜けると動きが加速する特性があります。
この特性を生かして「こうなったらこうする」といったトレードプランを立てるために使います。
役割2 エントリー&利食いの水準を決めるため
2つ目の役割は、エントリーと利食いの水準を決めるためです。
水平ラインは一つの節目として意識します。一旦は反発する可能性があるため、利食いを設定する際にも水平ラインを利用します。
水平ラインを具体的にどこに引くのかというと、主に次の4つが考えられます。
- むき出しの高値安値
- ”00”や”50”といったキリのいい価格
- 価格が何度も反応している価格帯
- ブレイクポイント
ちなみに、水平ラインの引き方については、次の記事で詳しく解説していますから、後で見ておいてください。
1-2 横軸=時間
次に横軸、つまり時間の経過を意識します。
これには、インディケーターである移動平均線、ボリンジャーバンドを使います。
この2つのインディケーター、そして水平ラインを使ってトレードプランを作っていきます。
この横軸の概念は、トレードプランを作るという役割だけではなく、エントリータイミングを計る重要な役割もあります。
主に、縦軸は今後の価格のコースを想定するトレードプランの作成で使用し、縦軸と横軸を組み合わせてエントリーと決済のタイミングを計ることになります。
2.マルチタイムフレーム分析
相場の全体像を把握するときに大切なのが、複数の違う時間足で見ることです。
複数の時間足を見ることで、値動きを俯瞰して見ることができます。これは、「マルチタイムフレーム分析」と呼ばれます。
基本は、上位時間足で相場の環境を把握した上で、トレードプランを作成し、下位時間足で実際のエントリータイミングを計っていきます。
言葉だけでは分かりづらいのでチャートで見ていきましょう。
2-1 マルチタイムフレーム分析
例えば、このチャートはドル円5分足チャートです。きれいな下降トレンドを描いており、完全に売りに優位性がある状態です。
次に4時間足チャートを見てください。
4時間足を見ると、完全な上昇トレンドです。先程の5分足で示した範囲は、狭い赤の縦のラインの範囲に過ぎません。
つまり、短期足で見るとずっと下げ続けているように見えますが、実際に長期足で見てみると、上昇トレンド中の一時的な押しの場面だったわけです。
4時間足を見ると、120.20付近で反発する可能性があることを事前に把握することができます。
このように2つの異なる時間足で相場を俯瞰して見ることによって、
- 120.20までは売る
- 120.20に達したら、反発をロングで狙う
この2つの戦略を立てることができます。
長期足も見ておくことで、
- 長期足のトレンドを確認することができる
- 長期足のチャートポイントを確認することができる
この2つのメリットを得ることができます。
2-2 具体的に何分足を見ればいいのか?
じゃあ、実際どの足を見ればいいのか?
これは、とても多い質問の一つですが、何分足と何分足を見ればよいと決まったものはありません。
トレードスタイルによって、自分で決める必要があります。
短期・長期のフレームとして、1時間足と日足というように2つの時間足を見る人もいれば、短期・中期・長期フレームとして5分足、30分足、4時間足という3つの時間足を見るという人もいます。
それぞれのトレードスタイル、もっと言うとライフスタイルに合わせ、自分なりにチューニングしていく必要があります。
デイトレードであれば、日足・1時間で相場環境の分析を行い、5分足~30分足でエントリーしていくとか、スイングトレードであれば、週足・日足で相場環境の分析を行い、1時間足~4時間足でエントリーしていくなどです。
自分の環境、正確、目標によってトレードスタイルを決め、そこから見るべき足を決める必要があるのです。
3.まとめ
さて、ここまでチャートでの横軸と縦軸の概念、マルチタイムフレーム分析というトレードでの大切な概念を説明してきました。
もし、あなたが目標を達成しようとしたとき、スタートとゴールを設定し、ゴールを達成するため最適な手段を選択しようとするでしょう。
トレードでこれを例えると、
- スタート・・・相場の環境分析
- 手段・・・手法
- ゴール・・・決済(利益確定)
となります。
スタートが違えば、当然、選ぶべき手段も全く違うものになります。だからこそ、スタートの現状把握は時間をかけ、丁寧に行う必要があるのです。
最初から正しく相場を見ることができる人なんていません。
まずは、ここまで説明してきた概念を理解していただき、より多くのチャートを見て、その精度を上げていくよう努めてください。